HTML/CSSとAPIで帳票作成・PDF生成を効率化するクラウドサービス「Printgraph」のご紹介
請求書、納品書、レポート、修了証明書。請求書や帳票を扱う業務システムでは、PDF 出力の要件が頻繁に発生します。しかし、実装や運用の現場では次のような負担が生じがちです。
- PDF ライブラリで座標を指定してレイアウトを組む作業は工数がかかります
- ヘッドレスブラウザを自前で運用する場合、フォントの埋め込み、メモリ管理、スケール対応などのインフラ保守が必要です
- 帳票のデザインを変更するだけでも、アプリケーション本体のデプロイを伴います
この負担を軽減するために開発しているのが Printgraph(https://printgraph.jp)です。
Printgraph の概要
HTML テンプレートを事前に登録しておき、API に JSON 形式のパラメータを送信することで PDF バイナリを取得できるサービスです。
テンプレートは Web 管理画面で作成でき、変数の差し込みには Liquid 記法を用います。アプリケーション側からはテンプレート ID と差し込みデータを送信するだけで出力が完結します。
use Printgraph\Client;
$client = new Client(['apiKey' => getenv('PRINTGRAPH_TOKEN')]);
$pdf = $client->pdf->generate([
'templateId' => 'YOUR_TEMPLATE_ID',
'params' => ['name' => 'world'],
]);
file_put_contents('hello_world.pdf', $pdf);レスポンスは PDF のバイナリデータそのものです。
主な利点と機能
1. レイアウトは HTML/CSS で書ける
PDF のレイアウトを HTML と CSS で記述できます。描画処理はサーバー側のブラウザエンジン(Playwright)が実行するため、Web ブラウザで確認した表示結果と同一のレイアウトで出力されます。フォント管理やブラウザの運用保守は Printgraph 側で処理するため、インフラ担当者が描画サーバーのメモリ管理やオートスケールを個別に設計する必要がなくなります。
2. テンプレートをコードの外で管理できる
テンプレートは Web 画面で編集可能で、編集内容に応じたプレビューを即座に確認できます。
テンプレートを更新する際は、既存の定義を上書きするのではなく新しいバージョンとして保存し、本番で参照するバージョンを切り替える仕組みを採用しています。過去のバージョン履歴が保持されるため、以前のレイアウトへの切り戻しも容易です。帳票の文言や余白の微調整だけであれば、バックエンド開発者がアプリケーションのデプロイパイプラインを実行することなく変更を反映できます。
全テンプレートで共通して利用する会社名や住所などは、共有変数として一元管理できます。
3. SDK と HTTP API
PHP および JavaScript(Node.js)向けの公式 SDK を提供しています。
composer require printgraph/printgraph-phpSDK を使わない環境からも、一般的な HTTP クライアントからエンドポイントを呼び出すだけで利用可能です。認証には API キーによる Bearer トークン方式を採用しています。API キーは管理画面から発行および無効化ができ、削除ではなく無効化として扱うことで、過去の生成ログから発行元キーを追跡できる監査性を担保しています。
4. 生成データは保存しない
生成処理の完了と同時にメモリおよび一時領域からリクエストデータと生成物を即座に破棄するため、機密性の高い帳票データであってもサーバー側に保持されません。顧客の個人情報や取引金額を扱う請求書・各種証明書の発行においても、データ永続化に伴う情報漏洩リスクを低減できます。
5. AI アシスタントからテンプレートを作れる(MCP 対応)
Printgraph は MCP(Model Context Protocol)サーバーを提供しており、AI アシスタント経由でのテンプレート管理に対応しています。Claude Desktop などの MCP 対応クライアントにエンドポイントを設定することで、対話形式でテンプレートの作成や修正を行えます。
- 「請求書のテンプレートを作って」と指示すると、AI が HTML テンプレートを生成して Printgraph に登録します
- 既存のテンプレート構造を AI に読み込ませ、レイアウトの調整や変数の追加を行って新規バージョンとして保存できます
- バージョン履歴の確認や本番バージョンの切り替えも、プロンプトからの指示で実行できます
認可には OAuth 2.1(PKCE および動的クライアント登録)を採用しています。どのクライアントにどの権限を付与したかは管理画面で確認でき、個別の連携解除も可能です。HTML は構造とスタイルがテキストとして明確に分離されているため、AI が意図したレイアウトを崩さずに変数を埋め込みやすい利点があります。
月額固定費なし、1 枚 0.3 円
料金体系は従量課金制です。
- 1 PDF あたり 0.3 円
- 月額固定費なし
- 請求額が 50 円未満の月は請求が発生せず、翌月以降に繰り越し
利用がない月のコストは発生しません。月間数十枚程度の小規模な請求書発行から、数万枚規模の定期バッチ出力まで、初期投資なしで利用できます。当月の生成実績と次回請求予定額は管理画面で確認できます。
ワークフロー機能
現在、一部の利用者を対象にワークフロー機能をベータ版として提供しています。
Google スプレッドシートの行データを取得 → テンプレートに変数を差し込んで PDF を生成 → メール添付で送信(または保存用 URL を発行)
この一連の処理フローを定義し、手動実行、Webhook、スケジュール実行のトリガーで起動できます。バックエンドの実装を行うことなく、スプレッドシートの顧客リストをもとに毎月請求書を自動発行・送付する仕組みを構築できます。
こんな人に向いています
Printgraph は、開発と運用の各工程において次のような負担を抱えている現場に適しています。
- バックエンド開発者:座標指定型の PDF ライブラリによるレイアウト調整から解放され、通常の Web 開発と同じ HTML/CSS と JSON の受け渡しだけで帳票機能を実装できます。
- インフラ運用担当者:ヘッドレスブラウザのプロセス管理、フォントのインストール、リソース枯渇に伴うスケール調整といった描画基盤の保守作業を外部化できます。
- 保守運用の担当者:帳票デザインや表記の修正時にデプロイフローを経由する必要がなく、管理画面からの操作で安全に新バージョンの適用や切り戻しが行えます。
- AI ツールを活用する開発チーム:Claude などのクライアントから MCP 経由でテンプレートの生成や修正を直接行い、帳票作成の初期工数を削減できます。
おわりに
PDF 生成は、多くの業務システムで必要とされる一方で、自前で環境を構築・運用すると工数が膨らみやすい領域です。Printgraph は、その工程を「HTML を記述して API を呼び出すだけ」のシンプルな設計に収めることを目的としています。
アカウント登録後すぐに検証環境を利用できます。ぜひ一度お試しください。
https://printgraph.jp

望月 涼太 / polidog
Co-Founder / Web Engineer